模型の線路を作るに当たって、実物の線路の規格について調べて見ました。
1958年(昭和33年)ころデータと最近のJIS規格から引用してみました。
1958年(昭和33年)頃の線路規格(土木工学ポケットブックより)
国有鉄道 | 地方鉄道 | ||||||
特別甲線 | 甲線 | 乙線 | 丙線 | 簡易線 | |||
軌道負担力 | K-18 | K-16 | K-15 | K-13 | |||
レール(kg) | 本線路 | 50 | 37 | 37 | 30(37) | 30 | |
枕木員数 | 基本(25m当たり) | 41 | 39 | 37 | 34 | 31 | |
曲線(25m当たり) | 44 | 41 | 39 | 37 | 32 | ||
最小半径(m) | 本線路 | 400 | 300 | 250 | 200 | 160 | 160 |
分岐 | 160 | 160 | 100 | 100 | 100 | ||
最急勾配(0/00) | 10 | 25 | 25(30) | 35 | 35 |
軌道負担力は軸距や動輪不釣り合い遠心力などを考慮しますが概ねK-18、K-16、K-15、K-13は最大軸重18t、16t、15t、13tに相当します。
レールの寸法は次の表の様になります。
1/87模型ではコード100番(高さ2.54mm)のレールが多く使われて来ましたが車両のディテールが細かくなるのに伴い、最近ではよりスケールに近いレールを使うようになってきました。
IMONやシノハラの12mmゲージの線路にはコード70番のレールを使っているので50kgNレール相当の高さになります。
なおIMONの組線路の枕木は25m当たり45本になっていますから特別甲線規格となります。
シノハラのフレキシブルトラック(12mmゲージ)は25m当たり37本程度なので枕木間隔は乙線で、レールは50kgN相当となります。
BEMOなど欧州の模型では高さ2mmのレールが使われ、米国型ではコード83番(高さ2.1mm)のレールが使われています。
レールの寸法(実物はJIS E-1101) 単位mm
実物寸法 | 1/87模型寸法 | ||||
高さ | 底幅 | 頭頂幅 | 高さ | コードNo. | |
30kg | 107.95 | 107.95 | 60.33 | 1.24 | 50 |
37kg | 122.24 | 122.24 | 62.71 | 1.41 | 55 |
40kgN | 140 | 122 | 64 | 1.61 | 63 |
50kgPS | 144.46 | 127 | 67.87 | 1.66 | 65 |
50kgN | 153 | 127 | 65 | 1.76 | 70 |
60kg | 174 | 145 | 65 | 2.00 | 80 |
注:コードNoは1/1000インチ(0.0254mm)単位
最小半径は1/87にすると400mが4.6m、100mが1.16mに相当します。
模型では半径1.16mでも、かなりのスペースを必要としますので別の基準で考える必要があります。
軌間1067mmの場合、分岐の最小半径100mは8番分岐、160mは10番分岐となります。
模型では大型分岐とされる8番分岐も実物で本線に使用するのは丙線以下となります。
最近、軌道強化が進んでいるので60kgレールの使用例が増えています、2002年夏に観察した例を示します。
見分け方はクロシングに60kgレールは60、50kgNレールは50Nの表記があります。
その他60kgレールは継ぎ目板のボルトが6本、50kgNは4本なのが違います。
ただし50kgNも絶縁継ぎ目は6本ボルトなので注意が必要です。
関西では東海道線、山陽線は本線に60kgレールを使っています。
ただし側線は50kgNレールを使用しているので分岐付近に中継レールがあります。
大阪環状線は50kgN、阪急神戸線50kgN、神戸市営地下鉄50kgNレールでした。
首都圏では東海道線、京浜東北線、山手線が60kgレール、山手貨物線(埼京線)、横浜線が50kgNレールです。
東京駅でも東海道線の引き上げ線は50kgNレールです。
東神奈川や原宿では60kgと50kgNの違いを観察できます。
蒲田駅も折り返し線は50kgNレールを使っています。