お気軽「HO Fine」 Proto87

フランジ走行試験(2)


模型の鉄道では実物より精度の低い線路を高速で走るため、タイヤの幅を広くしフランジの高さも高くしています。
車輪と線路はNMRA−S2に示されているように相互に密接な関係があります。
タイヤの幅を狭くしフランジを低くするには、それに見合う線路を用意しなければまともに走る模型となりません。
実物と同じ車輪のプロポーションと分岐器類を0.1mm単位で表現できるProto87の規格があります。
私は鉄道模型は走ってなんぼで、走行に問題が多そうなProto87は縁のない分野と考えていました。
でも、自分で確かめて見ないで想像だけで判断するのは間違いの元です。


左:Proto87 右:S-4

中国棚車(百万城)にProto87

Proto87のタイヤ幅とレール頭頂幅

Proto87の車両(特にトレーラー)は輪軸をNWSL等から販売されているProto87規格の輪軸と交換するだけで簡単に準備できます。
軌間(ゲージ)は16.5mmなので分岐器類のない単なるエンドレスならProto87規格の車両も走れるはず。
しかしProto87のタイヤ幅1.65mm(64/1000インチ)フランジ高さ0.33mmが脱線せずに走るためには、線路のねじれや継目の段差、左右のずれがどの程度の精度が必要なのか分かりませんでした。
HOJCの第13回運転会でProto87規格の輪軸に交換したプラ車両が問題なくKATOのユニトラックを走れることが確認できました。
線路はユニトラック改造(レールを#65に交換)、分岐器はProto87規格で稲葉さんの手作りです。


一見単なる米国型HOだが
改造ユニトラックを快走するProto87車両

稲葉さん製作のProto87規格のクロシング

そこで私は分岐器もKATOユニトラックを利用出来ないかと実験してみました。
さらにアメ車(NMRA S-3/4)だけでなく欧州車(NEM310)も走れないかと考えてみました。
細かな違いは各規格を見ていただくとしてタイヤ幅、フランジ高さ、バックゲージ、スパンをまとめると次の表になります(単位mm)。
Potor87と普及品HOの規格には互換性がありません。
普及品規格S-4の車両はRP-3やProto87の分岐器は通れません(S-4バックゲージよりProto87スパンが大きく又裂きになる)。
逆にProto87の車両は普及品規格の分岐器類ではフログの割り込みや、車輪の落ち込みが発生します。

      スパン
S(max)
チェックゲージ
C
バックゲージ
B(min)
タイヤ幅
N(min)
フランジ高さ
D(max)
備考
欧州HO普及品 MOROP NEM310 14.1 15.2 14.3 2.8 1.2  
米国HO普及品 NMRA S-3/4 14.3 15.4 14.4 2.74 0.71  
  NMRA PR-3/4 14.7 15.6 14.8 2.2 0.66 輪軸製品なし?
HO fine   Proto87 15.33 15.9 15.48 1.62 0.35 輪軸製品あり


 まずは前回報告したフランジクリアランスを0.9mmに改造したKATO#6分岐でProto87車両の通過試験を行いました。
基準線側(直線側)は順向、背向ともに問題なく通過可能でした。
分岐側は背向では問題ありませんでしたが、対向ではフログで車輪の割込みを起します。
Proto87のKは15.9mmなのでクロシング側フランジウエイ+スパンを15.9mm以上にしないと何回かに1回は車輪の割り込みが起きます。
またNEM310の車両を通すためにはSは14.1mm以下にしないと又裂きになります。
そこで分岐側のガードをS=14.1mmでクロシング側フランジウエイ1.8mm (これでC=15.9mmとなります )
ガード側フランジウエイ1.0mmの変則配置にしました。
G=1.8+14.1+1.0=16.9はS-3の上限ですが、日本ではG=16.9をHOのゲージとしてるメーカーもあるのでまあいいか。
これでProto87車両の通過試験をおこなったところ全方向問題なく通過可能となりました。
この分岐は欧州車からアメ車、トレイン規格(タイヤ幅2mm日本型)からProto87までHOならメルクリン以外の大部分の車両が通過可能となります。


分岐側ガード交換、ついでにN型分岐形状に

Proto87 割り込まずに
フランジ走行で通過


S-4 又裂きにならずに通過


ただし、フランジウエイの幅は0.8mm以上なのでProto87の車輪はフログで沈み込みフランジ走行にせざるを得ません。
またProto87線路の魅力である実物と同じクロシングの表現もかないません(T-T)。
でも、動力車は輪軸交換(難しい?)なしで通常の車両でOK。
お気軽モードでProto87 HO fineの車両を走らせることが出来ます。


HOME, BACK                                   2002.9.8 作成 2002.11.28改訂

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