日本型HOn3-1/2 曲線通過テスト


HOゲージ(1/87 16.5mm)は、それまでのOゲージ(1/45 32mm)より容易に固定レイアウトを製作できることを、特徴の一つとして普及してきました。日本の場合、16番(1/80 16.5mmゲージ)も、もちろん優れたレイアウトが製作されていますが、住宅事情からは主に組みレールのフロアーレイアウトや、組立式が中心で、固定レイアウトの普及はNゲージが主力となっています。
このため16番の関心は車両中心となり、かつ精密化が進んむに従って通過曲線は大きくなる傾向があります。
HOn3-1/2もこの影響を受けてか、一部に曲線通過をあまり重視していない製品もあるようです。
IMONの組線路(半径732mm)は、体育館など広い会場に敷くと非常な急カーブに見えますが、
個人の住宅で運転しようとすると、どの部屋でも広げられるとは限りません。
私自身もユニトラック準拠は、他社線の車両乗り入れも考慮して半径730mmで製作しましたが、
家で運転するときは場所の確保に苦労しています。
固定レイアウトを考えると、通過可能半径は小さいに越したことはありません。
一方、欧州型のHO(1/87 16.5mm)量産品は半径360mm通過を標準としており、レイアウトスペースの点で有利です。
欧州型メータゲージのHOm(1/87 12mm)のメーカーであるBEMOの線路の最小カーブは半径330mmで、
すずしろ鉄道在籍のBEMO製品はもちろん通過可能です。

模型の世界ではHOmもHOn3-1/2も同じ12mmゲージなのですが、一般的にはHOmの車両がHOn3-1/2の線路を走ることは可能ですが、逆にHOn3-1/2の車両がHOmの線路を走るのは難しいと考えていました。

実物の世界ではC56はメーターゲージに改造されタイ等の東南アジアに渡りましたし、
標準軌に改造され中国大陸に渡った9600の一部は再度改軌されメータゲージになったものがあります。

そこで、日本型HOn3-1/2のC56と9600がBEMOの線路(半径330mm)を通過可能かテストして見ました。
なお流山サドルタンクが通過可能なことは既に確認しています。

C56の下回りは特に改造していません、ドロバーも狭い方を使用していますが、半径330mmに難なく乗りました。
そこで通電してみると無事走行するので自分でも驚きました、あれこれ考えるよりやった方が簡単な見本です。

9600の方は半径450mm通過可能な様に渡り板の隅をカットしてあり、シリンダー尻棒を外してあります。
ドローバーの穴は広い方を使用しています。
ドローバーの狭い方の穴はIMON線路でもショートするので、運転では使えません。
こちらも通電すると脱線せずに走行しました、ただし時々先輪が浮くのでぎりぎりの様です。
なにが当たっているのか確かめるとKDカプラーのポケットでした。
こちらも、カプラーを工夫すれば機関車そのものは走行可能なようです。

2軸貨車は半径330mmを通過可能ですが、オハ61系は入線不可でした。
これも原因は台車がカプラーポケットに当たることが原因でした。
またボギー車では車体のオーバーハングが大きく、車体マウントのカプラーではカプラーポケットと台車の干渉をさけても、
機関車との連結は困難なことも確認できました。
客車は小型車かカプラーを台車マウントにした特別仕様車を容易する必要がありそうです。

元々の12mmゲージはTTゲージ(テーブルトップ ゲージ)でテーブルの上でレイアウトが出来ることがコンセプトです。
C56の半径330mm通過を確認できたのでテーブル(冬はこたつ)にのる小型レイアウトも考えて見る価値が有りそうです。

03/08/29


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