すずしろ鉄道相楽線(12mmゲージユニジョイント)

HOn3-1/2 (1/87 12mmゲージ)の運転を楽しむには線路が必要です。
固定レイアウトが望ましいことは確かですが、容易に設置が出来るお座敷運転(最近はフロアー運転と言う)用の線路があれば便利です。お座敷運転のためには線路の分割・接続が確実に行えることが最も大切です。HOJCの運転会でメンバーがKATOのユニトラックの12mmゲージ改軌を披露してくれました。KATOのユニトラックならば確実な接続が期待できるので、私も採用することにしました。

基本仕様:

  1. 接続はKATOのユニジョイントを使用する。
  2. 線路は篠原のフレキシブルトラック 12mmコード70番 
  3. 基本半径730mm-45°分割、補助半径730mm 22.5°分割、半径780mm-45°分割
  4. 直線738mm(246mm×3)、492mm(246×2)、246mmの3種類
  5. 複線間隔 50mm
  6. ポイント 篠原6番 (一部PECOを試用) 手動切り換え
  7. 電気配線は設けずポイントの切り換えで留置可能とする

1.接続部

個人利用の範囲なのでKATOの16.5mmゲージユニトラックを12mmゲージに改軌したものを原型にしてレジンモールドで接続部を作成しました。直線用と曲線用を作成しましたが手間からするとKATOを切って改軌した方が簡単かもしれません。


レジンモールドの接続部

接続部の裏側

 

2.基本部分

4mmのシナのベニヤ板の上に2mmと1mmのコルク板を張り、その上に篠原のフレキシブルトラックを敷いています。篠原のフレキシブルトラックのゲージは公称12mmですが 実測すると12.4から12.5mmあります。篠原コード70番レイル(#70)の高さは1.78mm、底部の幅は1.85mm、一方KATOのレイルは高さ2.25mm(#83)、底部の幅は1.41mmです。このため篠原の#70は底の幅を削らないとうまくユニジョイントに入りません。接続部のトラックゲージは篠原に合わせて12.4mmとしました。接続部の耐久性がまだ実証されていないので、接続部と基本部分はスパイクで固定し接着はしていません。

3.曲線の寸法

スタンダードゲージとの複線(正しくは単線2本?)を考慮してKATOの730R相当で作成しました。2000年2月の時点で、すずしろ鉄道に在籍している車両は450R通過可能ですが、他線からの乗り入れ、および将来D51等の大型機の入線も考慮しました。

4.直線の寸法

直線は押入収納と運転会に電車で運搬する場合を考慮して738mmを基本としました。また1mのフレキシブルトラックを切断するとき、残りから246mmが取れるので、この寸法は経済的でもあります。

5.複線間隔

KATOの16.5mmは複線間隔60mmですが、12mmゲージで60mmにするとさすがに間隔が開きすぎます。またポイントの部分の寸法も大きくなるため50mmとしました。

6.簡単組立、分解

ポイントマシンや留置線のブロックは配線等が複雑になり組立、分解が煩雑になるので割愛しました。


PECOのポイントは枕木の高さが高いのでコルク板を1枚
抜いてを組込。電気フィーダは1カ所で全てに通電可能

PECOのポイントは分岐角度10°半径508mmでスペース節約に有効です。運転会では乗工社のD51が無事通過していました。
価格は篠原のポイントに手動ポイントアダプターを取り付けるより高価になります。

7.運転会

2000年3月のHOJC広島運転会では、浅本さん、稲葉さん、私の合わせて3人のユニトラック接続12mmゲージ線路が集合し無事接続が出来ました。3人とも接続部の作り方は異なり、事前に接続テストはしていなかったのですがユニトラックの基本設計が優れていたためか3方式の接続は1発で決まりました。山内さんのホームページ報告があります。

広島運転会、エンドレス3本、手前より稲葉さん、浅本さん、牛越

浅本さんの駅部分、右側のグレーの線路は牛越、奥の積み木は稲葉さんのエンドレスとの高さ調整用。

8.IMON線路との接続

2000年8月にIMONから12mmゲージの線路が発売されました。288mmの直線と半径732mm−22.5°の曲線です。
価格はバラ売り200円、8本組1500円と戦略的な低価格でHO3-1/2ユーザーとしては大歓迎です。

IMONの線路はレイルは篠原製を黒メッキしているようです。レイルの高さは自作したユニジョイント線路と同じです。
曲線は半径が730mmと732mmと2mm違いましたが、分割は22.5°なので互換性があります。

ユニジョイント線路とIMON線路の接続は、あっけないほど簡単でした。

ユニジョイント側はユニジョイントを外し篠原の#70ジョイントに戻します、
IMON側は接続接点部品はネジ止めなので簡単に外せます、両者の高さは同じなので、そのまま接続可能です。

IMONの線路との接続に何ら問題がないので、すずしろ鉄道相楽線の将来は明るいようです。


左が自作ユニジョイント線路、右がIMONの線路、枕木間隔の違いが良く分かります。

9.TILLIG の組線路

2004年春 ドイツのTILLIG Modellbahanen GmbH & Co.KGからTT(1/120 12mmゲージ)の組線路が発売されました。
この組線路はユニジョイントを採用しており、レールもKATOと同じ高さはコード83(2.1mm)で断面はI字型です。
曲線半径はR353mm/30° 直線はL=166mmで、枕木はコンクリート枕木を表現しています。


左より9mm 12mm 16.5mm
道床の幅、高さは大きくなるがレールは共通

IMONにユニジョイントアダプタを付けた線路に
TILLIGを接続

R353は日本型蒸気はC56まで入線可能

TT(テーブルトップ)なので座卓にエンドレスが
のります。

元々、標準軌の1/120の線路なので枕木は1/87と比較すると細いですが手軽にテーブルトップにエンドレスが作れます。
R353でもカプラーをTOMIXなどのショートカプラにすれば20m車も入線可能になるので工夫次第では
面白い使い方があるかもしれません。


TOMIX カプラー 直線部

R353では大きく開く

更新 04/04/19


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