ドイツの貨物用蒸気機関車は動輪径1400mmの5軸が中心です。すずしろ鉄道標準軌には3形式が在籍しています。いずれも1+E型ですが360Rを通過可能です。欧州型の量産品はこの急カーブ通過と外観のバランスに工夫が見られます。この3形式はROCOが模型化した順序と実物が登場した順序がたまたま一致しました。
ROCOが初期(1977年)に手がけた製品で動力はテンダードライブ方式。ピストン尻棒を突けた状態で420Rカーブ通過が可能です。下の写真は、この初期モデルですが、現在はUlmer
Eisenbahnfreundeの58 311号機も販売されています。
eisenbahn Modellbahn magazin MODELL DES JAHRES 1997 受賞
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BR58の後継3気筒1+E型貨物用機関車、重油専燃機をプロトタイプにしています。動力はテンダードライブ。
BR58と同じ動輪1400mmですが、軸重は19.6t、指示馬力2100PS、運転速度80km/hとより強力になって、1936年から1944年までに1752両つくられています。28両しか製造されなかったBR45をのぞいて実質的にドイツの最強貨物用蒸気機関車です。日本のD52に相当する形式といるでしょう。なお重油専燃に改造さてた29両は新形式では043形に分類されました。
BR50はフライシュマンがHOとNで早くから模型化していた形式です。その形式をROCOが模型化したのでディテールが細かくなっていることはもちろん、動力装置も従来のテンダーモータテンダードライブに加えてプロペラシャフトで動力をエンジン側に伝動し動輪を駆動しています。これによりテンダードライブの最大の欠点である動輪のスケート状態を防いでいます。またタイヤが黒メッキ仕上げになって下回りが落ち着きました。
PFMサウンドシステムを組み込むため第2動輪にコンタクトホイルを入れてました。動輪の横動は第1動輪0.3mm、第2動輪0mm、第3動輪3mm、第4動輪3.5mm、第5動輪0.5mmとなっており動力の伝わる第4動輪が大きく動くことで急カーブの通過を容易にしています。
横から見るとテンダー・キャブの間隔はスケールに近い ブレーキシューも付いていて動輪が大きく横動する様には 見えない。 |
第3,4動輪が大きく横に動きカーブ通過を容易にしている。 第2動輪はサウンドホイルを入れたため固定さて手いるが オリジナルは第2動輪も動く。 |
実物はドイツで一番多く製造された1+E型貨物用機関車で、その数は戦時型のBR52も含めると9336両。
BR58と同じ動輪直径1400mmで、軸重15.2t、指示馬力1625PS 運転速度80km/h
と軽量化されていながら出力は大きく、速度は速くなり高性能になっています。日本のD51に相当する形式といえます。
実物データ
シリンダー | 動輪直径 | 軸重 | 缶圧力 | 火格子 | 出力 | 最大運転速度 | 製造初年 | |
58 10-21形 旧プロイセンG12形 | 570mm3気筒 | 1400mm | 16.7t | 14kg/cm2 | 3.88m2 | 1540PS | 65km/h | 1917年 |
44形 | 550mm3気筒 | 1400mm | 19.3t | 16kg/cm2 | 4.55m2 | 1910PS | 80km/h | 1937年 |
44形 DBの重油専燃改造(043形) | 550mm3気筒 | 1400mm | 19.3t | 16kg/cm2 | 重油専燃 | 2100PS | 80km/h | 1955年改造 |
50形 | 600mm2気筒 | 1400mm | 15.2t | 16kg/cm2 | 3.89m2 | 1625PS | 80km/h | 1939年 |
08/08/10