Rio-Grande type 米国型レイアウト訪問記

 

友人が横浜の自宅にRio-Grande type (米国型)HOスケールレイアウトの建設を進めています。
主体はHOn3(10.5mm)でHO(標準軌16.5mm)とHOn2.5(9mm)が併設されたユニスケール・マルチゲージです。
大きさは計画段階では3.45m×2.4mと聞いていましたが7畳程度あるようです。
特にリオグランデの再現にこだわっている訳ではなく、海もあり模型としての”いいところ取り”を目指しているそうです。

作り初めて約1年半の2004年11月末の様子を紹介します。
メインのHOn3と補助のHOn2.5の線路敷設はほぼ完了、HO(標準軌)は海を跨ぐトラス橋の建設が残っている段階です。


レイアウト 左側 中間駅と町並みもほぼ完成

レイアウト 中央奥 最高地点
機関車の次にフラットカーその後ろの客車に
トレインスコープのカメラ搭載

レイアウト 右側 垂直に切り立った崖の処理中
レイアウト 左 手前には海です。

現在、建設中で

標準軌のトラス橋が掛かる予定とか

(写真は取り忘れ) 


レイアウト 中央手前 
11線ターンテーブルは鉄道模型社製を改軌

レイアウト 中央の谷 紅葉した木々が美しい

サウンドアンプおよびコントロールシステム

上がトレインスコープ 下が線路際のモニター
レイアウト 右 手前にはもう一つ
施設が建設中ですが写真はもう少し
進んでから撮影します。

このレイアウトは長距離運転を楽むため色々と工夫がしてあります。

1.ユニスケール・マルチゲージの長距離運転

主体はリオグランデのHOn3(10.5mmゲージ)ですが、標準軌HO(16.5mmゲージ)とHOn2.5(9mmゲージ)の線路もあり、
一部は16.5mmと10.5mmのデュアルゲージになっています。
これで米国型大型ディーゼル機関車の迫力と小型ナローも楽しむことが出来ます。

3つのゲージともエンドレスになっています。

HOn3は長いエンドレスと言っても、ただループを折り畳んだのではなくリバースを組み込んだドックボーン型です。
ドックボーンの端は2線式の自動リバースを組み込んでいるので、ポイントおよび極性スイッチの切り換えは
自動で行われるため、本線運転中は速度コントロール以外の操作は不要で、その分サウンド操作などに集中できます。
また、この切り替えや極性の反転などの確認のために信号機が赤や青になります。

今はDCCが流行っていますが信頼性を上げるため敢えて20年ほど前に私が作った先代レイアウトの
2線式自動リバースの方式を採用したとのこと、快調に作動していました。

本線はドックボーン型の線路配置を左と右の2つの山にループに折り込み高低差を取っています。
HOn3の線路長は100m程になりシノハラでフレキシブルトラックを1ロット作ってもらったそうです。

HOn2.5(9mmゲージ)は左の山と右の山にそれぞれ独立したエンドレスがあり小運転が出来ます。
メインの列車が山の中に入って見えない時間を退屈させないために、その間だけオートスタートする予定とのこと。

2.サウンドシステムとトレインスコープ

HOn3の音源はマックストラックスとMRCのサウンドコントローラを使用し、レイアウト中央の天井に設けたスピーカーで音を出しています。
従ってHOn3を走る車輌はサウンド関係の加工は必要有りません。
大型スピーカーからの音なので、テンダーに積んだ小型スピーカーとは比較にならない良好な効果音が楽しめます。

なおHO(標準軌)はPFMのSound System II テープレコーダ付きもあり車載スピーカーも使用できます。
HOn3運転時に外部スピーカーから音だけ鳴らしても効果があります。

ポイントは機関区やヤードなどを含めて32カ所ありますが、ポイントマシンは音の静かなタートイズ製DC制御を採用。

トレインスコープと線路際に設置したカメラのモニターを設置して、列車から、および列車の走行風景を楽しめます。
集電および送受信にはかなり試行錯誤があった様ですが、非常にノイズの少ない安定した映像で驚きました。
私は自分でもトレインスコープは使用したことがあり、運転会などでトレインスコープは何度も見ていますが
やはり本格的なシナリー付きレイアウトですと面白さが違います。
機関車の後ろにフラットカーをつなぎ、その後ろの客車にカメラを積んでフラットカー越しに機関車を眺める映像です。
トレインスコープは運転席からの映像が一般的ですが、レイアウトは実物より急カーブの多いためモニターを見続けると疲れます。
また運転している自分が写ると気持ち悪いことがあります。
この点、フラットカー越しの機関車が常にモニターの中心に写っていると安心して見続けることが出来るのが
新たな発見でした。

また中央の谷とターンテーブルの横の2カ所に線路際の固定カメラ(と言っても回転はしますが)があり、
通過する列車を眺められます。

4.季節は秋

紅葉した木でレイアウトに彩りを添えるとともに、冬の準備でスノープロを取り付けた機関車や除雪車が登場するのに
ふさわしい舞台となります。

5.目線の高さで楽しめる

運転時に立った姿勢で手前のヤードが目線の高さになるよう台枠は床から130cmと高い位置にあります。
これはレイアウト下のスペースを有効に活用できるようにするとともに、レイアウトの大敵であるホコリ対策として
開口部をガラス戸で仕切るのにも役だっています。

6.走る機関車はナローとは言えD52以上の大きさ

リオグランデの機関車は日本で言えばD52以上の大きさで、それに外側台枠小径動輪と言う独特の
低姿勢シルエットを持っている楽しいモデルです。
客車類はどれもショーティーかと思うほど短く、カーブ通過を外側からみても違和感がないのが模型らしくていいところです。

 

完成までは、まだ発表できる状態ではないとのことですが、現在も精力的に建設が進んでいるので
近いうちにシナリーが完成することを期待できそうです。

 最後に製作者のコメントをお伝えしますと、HOn3は車両や林鉄のファンの方がほとんどで、
なかなかリオグランデの大型ナロー走行のすばらしさが伝わらないのがちょっと残念。
同好の士が増えればいいですねとのことでした。  

2004.12.4


その後、RM MODELS 132 (2006年8月号)にホビールームの記事が載りました。

2006.6.24


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